帝国直轄放送局臨時放送

【帝国直轄放送局臨時放送】
「私はこの度、崇高なる蛇の声を聞きました。内なる蛇の輝かしい意志です。」
この言葉からヤード全域にネットされている国営放送、ネット配信、街頭ビジョンに至るまで同時にその言葉は伝えられた。
語るのは帝政ヤード全権、唯一の統治者にして絶対的存在であるシーナス・リィビィ・レイジアス皇帝陛下。
黒いドレスに二の腕に巻き付けた蛇のブレス。
胸元には赤い薔薇。

「皆さんの側にある真実。それは抑圧された魂にあります。
果たしてそのままでいかなる平和な日々が続こうとも満足することはないでしょう。
貴方達の命は狭い箱の中に押し込められ嘲笑と罵倒によって小さく縮こまるでしょう。
いえ、虚構のブランケットに包まれ綺麗にデコレーションされたケーキを、その味気ないケーキを永遠に食べつづけることでしょう。
いえ、無関心が貴方の姿を見えなくしその声は風に消されるかも知れません。

今、解放しなければ!
今目を見開かなければ!
貴方達は手遅れになります。

さあ、解放してください。
その魂を。
蛇の囁きを捕らえるのです。

この世界は不義、不信、不和、不埒、憤怒、憎悪、悲哀、欺瞞、悲痛・・・・・それらに満たされて
呼吸するのもままならないでしょう。
しかしそれらを愛するのです。その世界に罪はなくそれらにもなんの罰も与えられません。

そう、光を誰もが求めるでしょう。
その光は陰を作り出します。光は陰を、貴方の側にも陰を作るのです。

ですがどうでしょう。闇は・・・闇は純粋ではないでしょうか。どこまでも、どこまでも。
闇は陰など作り出しません。
闇は闇としてだけ存在し、ただ凛としてそこに佇むのみだからです。
闇に抱かれて真に美しい存在となりましょう。

すべては美しく変貌を遂げるのです。

私は一国を統べる者です。
美しく導く責務があるのです。だからこそ美しさの欠如した大臣会議を解体致しました。
驚かれたことでしょう。しかしそれはさらなる進化・深化をするためのことです。
大臣会議の働きは素晴らしいものでしたが欠落を美徳とするのは旧時代のものとしましょう。
我々はさらに美しく在り続けるのです。

さて・・・私がこの国において全権を担うことに変わりはありませんが外交責任者に
リディア・ライチを置きます。彼女の優秀なる手腕は必ずこの国に恒久なる輝きをもたらすでしょう。
その他政務に関しては私自身の親衛組織から抜粋して実務を担って頂きます。
ですから皆様の生活になんの不安要素もございません。
むしろ我々は大いなる一歩をまたも踏み出したと言えるでしょう。

それでは、ごきげんよう。」

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